最近話題になっている「ゲーセンで出会った不思議な女の子の話」を読んで、読んでいるあいだずーっとどこかで読んだことがある文体だ、話はこびだ、それに会話のパターンだと感じていたがようやく思い出した。
何が最初にひっかかったかといえば、「ゲーセン」の少女の話し方である。特に終盤で、彼女はたびたび唐突に歌いだす。場面に合わせた曲を歌いだす。そういう不思議キャラだから、ということで説明されてしまってもどうということもない。だから創作だという根拠にはならないが、歌いだす歌詞とストーリーの関係がどこかで読んだことがある気がしてきた。
『東京少女』での音楽はもう少しBGM的な扱いではあったけれど、印象的な場面にはちょっと音楽にくわしい風の曲が流れることになっていた。思い出のなかにいつも音楽がある、そういう感じだ。
音楽と歌詞の扱いの技術は、もしもこれらふたつのお話の書き手が同じであるとすれば、格段に向上していると思う。特に、具体的に歌詞が使われていることで場面の説得力が増していると思う。それは地の文章がいまひとつこなれていないということでもあるのだが、ノンフィクションを標榜するうえでは効果的でもあるので結果オーライかもしれない。
そうして、フィクションであることに一縷の望みを託す。よかった、不幸な女の子はいないんだ、と。

